2020年御翼11月号その2

         

怒りに対処する七つの方法 ―― ノーマン・V・ピール

 怒りに対処する七つの方法 『積極的考え方の力』より抜粋
 怒りに対処するには、善意、寛大さ、信仰、愛、平静な心がまえを持たなければならない。では、どうすればそのような心がまえを持つことができるのだろうか。次に述べる提案を首尾一貫して守り通すなら、どんな人にも幸福感が生まれてくるはずだ。
① 次のように声に出して自分に言いきかせなさい。「馬鹿げたことをしてはならない。そうしたからといって一文の得にもならない。私はそれを乗り越えなければならない」と。そして、心の中にイエス・キリストのイメージを描き出し、キリストがあなたと同じように感情に激した姿を思い浮かべてみようと努力してみる。それは結局、不可能なのだが、その努力は、あなたの激昂(げきこう=感情がひどく高ぶること、ひどく怒ること)した感情をしずめるのに役立つだろう。
② 怒りを冷却する最も良い方法が、グレース・アワースラー夫人によって提案されている。彼女は以前、「一〇数える」方法を用いていたが、むしろ「主の祈り」(マタイ六章九-十三節)の最初の一節のほうが効果的であることに気づいた。「天におられるわたしたちの父よ。御名が崇められますように」。怒りを覚えた時にこの言葉を十回言えば、怒りはまったく無力になってしまうだろう。
③ 一つ一つの憤懣(ふんまん=怒りが発散せずにいらいらすること)について祈りなさい。そして、その一つ一つを克服していくのだ。怒りをすべて一度に追い払おうとしないで、怒りを形成する一つ一つの悩みを、祈りによって刈り取っていくのである。このようにして、間もなく制御できる程度にまで怒りを弱めることができるだろう。
④ 苦情を心から追い出しなさい。心を開いて、苦情が外に流れ出るようにするのだ。信頼するだれかのところへ行って、ひとかけらの痕跡も残さないまでにそれを吐き出し、忘れ去るのだ。
⑤ まず、感情を害した人のための祈りから始めなさい。そして、あなたの悪意が消え去るまで祈り続けなさい。
⑥ 「キリストの愛で私の心を満たしてください」と祈り、さらに怒りを覚えている人について、「○○○○(人の名前を入れる)を愛せるように、キリストの愛で私のたましいを満たしてください」と付け加えなさい。そういう気持ちになることができれば(そういう気持ちになれるように神に願うなら)、あなたは救われるだろう。実際に、イエスの言う「七回の七〇倍赦せ」という勧めを受け入れなさい。文字どおり解釈すれば、四九〇回になる。実際問題として、一人の人間をこのように何度も赦す前に、その人に対して怨恨を抱くようなことはなくなるだろう。
⑦ 表面に出るまでに燃えさかる野蛮で放縦で原始的な感情は、イエス・キリストの支配にゆだねることによってのみ抑制することができる。したがって、イエス・キリストに対して次のように祈ろう。「あなたは人の心を変えることができるのですから、私の感情も変えてください。あなたは人間の罪を赦すことができるのですから、私の感情の罪に対してもその力を及ぼしてください。私は自分の感情をあなたの御心のままにお任せします。あなたの平静さを、私のたましいだけでなく感情の中にも注いでください」




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